キャベツのヨトウムシ
 
【ヨトウムシとは】
ヨトウムシは漢字で「夜盗虫」と書きます。字の通り昼間は土の中に隠れていて、夜になると出てきて活動することから名付けられました。
ヨトウムシは、ヨトウガの幼虫のことです。(ヨトウガは蛾で、ヨトウムシが羽化した成虫のことを「ヨトウガ」と呼びます。)
  若齢幼虫(1~2齢幼虫)は日中も葉の上にいますが、3齢幼虫になると日中は陽があたらない株内や、土中に潜っていて夜間に加害します。
ヨトウムシ(老齢幼虫)
体長は大きく、老齢幼虫で4~5cmにもなります。
アオムシやコナガと同様に葉脈のみ残して加害します。
若齢幼虫は葉裏で集団生活し、葉表の薄皮を残して加害するため、葉が白く見えます。
老齢幼虫は体長も大きくなることから、夜間に葉をひどく加害して葉脈を残してボロボロにします。
幼虫が加害して、成虫(ヨトウガ)が卵を産みつけます。
ヨトウガ(成虫)
 
 
【発生状況】
一般的に、ヨトウムシのピークは年2回です。
冬の間蛹で越冬したヨトウムシが4月~5月に羽化して成虫になり、葉裏に卵を産みつけます。
5月~6月に孵化した幼虫が葉裏に見られ、7月前後に土中で蛹になり夏眠します。
再度、8月~10月にかけて羽化して、9月~11月に孵化した幼虫が葉裏に発生といったサイクルを繰り返します。
卵は、葉裏に10~100粒からなる卵塊を、数回に分けて産卵します。
  卵の大きさは0.6mm位で、まんじゅうのような平べったい形をしています。初めは白っぽい黄色ですが、孵化前には黒くなってきます。
孵化した若齢幼虫は群生しますが、成長するにつれ単独で葉を食害します。孵化した若齢幼虫は群生しますが、成長するにつれ単独で葉を食害します。
 
 
【防除のポイント】
キャベツを栽培している圃場周辺の雑草は、刈り取っておきます。
老齢幼虫や蛹になると薬剤が効きにくくなりますので、早めの防除を心がけます。
多発させてしまうと一度の防除では抑制が困難になるので、圃場をこまめにモニタリングして発生初期に防除することが重要です。
葉裏に塊で卵を産みつけるので、発見したら取り除きます。
また、孵化後の若齢幼虫は葉裏に集まっていますので、群生を見つけたら葉ごと適切に処分します。
オルトラン粒剤・水和剤(アセフェート)は、高い浸透移行性により「ヨトウムシ」や「アオムシ」といったチョウ目から「アザミウマ類」まで幅広く害虫を防除します。また、効果の持続期間が長く、省力的な害虫防除が可能です。
微生物殺虫剤の「ジャックポット顆粒水和剤」と「オルトラン水和剤」などの化学殺虫剤を併用することで、化学殺虫剤では仕留めきれなかった弱った害虫や抵抗性が付いた害虫をしっかり防除することができます。( 詳しくはお問合わせください
また、同一系統の連用は、薬剤感受性の低下につながりますので、異なる系統の薬剤をローテーション散布します。
 
 
 
 
 
 
 
 
「発生(発病)状況」や「防除のポイント」など、このページでご紹介した情報は一例です。
地域に「防除暦」などがある場合は優先的に参照して、注意点などをご確認ください。
対象病害虫、回数、収穫使用前日数などについては、使用前に必ずラベルを確認してください。