送粉昆虫「マルハナバチ」について
   
  マルハナバチは、ミツバチに近い仲間で花(花蜜、花粉)を生活の糧にして生活している社会性のハチです。

巣が生活の基本単位で、女王蜂(雌)、働き蜂(雌)が協力しあって卵や幼虫、蛹の世話をします。約半年間の巣造りの期間に平均して働き蜂を数十~数百頭、新女王蜂を0~数十頭、雄蜂を数十~数百頭生産します。
 
【クロマルハナバチ】
クロマルハナバチ
【クロマルハナバチの生活史】
クロマルハナバチの生活史
【マルハナバチとミツバチの違い】
マルハナバチ
ミツバチ
分布の中心
北半球の温帯、亜寒帯
アジア、欧州アフリカ
生活様式
1年生
多年生
コロニーサイズ
数十~数百
数千~数万
巣の構造
不定形
垂直巣版
働き蜂のサイズ
バラツキが大きい
一定
働き蜂の脱針性
無し
有り
振動受粉
不可
ナス科への訪花性
採餌距離
数百メートル
数キロメートル
活動限界温度
6度前後
10度以上
悪天候時活動性
UVカットフィルムの影
弱(除去波長による)
狭い空間への適応性
【マルハナバチとミツバチの分布図】
マルハナバチとミツバチの分布図
【在来種「クロマルハナバチ」の特長】
ミツバチに比べて、低温、低照度下でも活動を行います。

訪花中のクロマルハナバチ
ミツバチよりも働き蜂の数は少ないですが、1匹当たりの訪花数は多く、30分間に約300花を訪れます。
ミツバチよりもおとなしいです。
セイヨウ種(セイヨウオオマルハナバチ)よりもおとなしいです。
セイヨウ種に比べて高温時にも活性が高いです。
クロマルハナバチは在来種なので、「外来生物法に係る飼養等の許可」の取得は不要です。
訪花中のクロマルハナバチ
(花粉団子を運搬中)
セイヨウ種は働き蜂と雄の見分けがつきにくいですが、クロマルハナバチの雄は色が異なりますので、見分けやすいです。