ピーマン(パプリカ)のアブラムシ類
 
【アブラムシとは】
アブラムシは、「カメムシ目ヨコバイ亜目」の「アブラムシ科」に属し、日本には約700種類ものアブラムシが生息しています。
ワタアブラムシ
アブラムシは小型で体長1mm~4mm程度、体型は「ぼて」っと太く短く、触るとやわらかいです。
色は多色で「黒色」「黄色」「緑色」などがありますが、一般的に高温期は「黒色」で低温期は「黄色」が多いと言われています。
植物の上でほとんど移動せず、集団で口針を植物に突き刺し吸汁して生活します。
他の昆虫のように飛んだり跳躍したりすることはありませんが、生活している植物から栄養を吸えなくなったり、個体数が増えすぎると、小さな翅を持った個体が出現し、他の植物に飛んで移動します。
翅を持ったアブラムシが植物上に飛来すると、その場所で翅のないアブラムシを産み、再び増殖していきます。
ほとんど移動しない習性から、お尻から甘い分泌物(甘露)を蟻に与え、天敵から守ってもらうために、蟻と共存する習性があります。
交尾をせずに幼虫を産み続ける単為生殖によって増殖することができます。既に胎内に子を宿している雌を産むことができ、その雌から生まれる幼虫は皆、親と同一の遺伝子を持つクローンです。
このことにより、短期間で爆発的に数を増殖し、植物上に大きなコロニーを形成することができます。
ピーマンの他に、多くの野菜や、果樹類、花き類などに発生します。
ピーマンで主に発生するのは、「ワタアブラムシ」と「モモアカアブラムシ」です。
幼虫・成虫が土に近いの葉柄に密集・吸汁して加害します。
新葉に寄生すると、葉は多少巻いた状態で萎縮します。
時には葉裏や花弁にも寄生して、著しい生育抑制や枯死を引き起こすこともあります。
 
 
【発生状況】
育苗時に発生していた苗の持ち込みや、施設周辺の雑草からの飛び込みが主な発生要因です。
 
 
 
【防除のポイント】
圃場周辺の雑草除去を徹底してください。
太陽光を嫌うので、シルバーマルチなどは忌避効果が期待できます。
施設の天窓、入口、換気部などに防虫ネットなどで被覆します。
アブラムシは黄色に集まる性質があるので、害虫の捕虫に物理的害虫捕獲資材(ホリバーイエロー)も効果的です。
また、ハウス入り口などに黄色のものを置かないようにします。
アブラムシの色が緑色で、ピーマンの葉や茎の色合いが似ている場合、発見が遅れることがありますので、十分注意して観察します。
新葉の展開に伴って下葉を除去すると有効です。風通しを良くして日光が良く当たるようにします。また、除いた下葉は施設の外に持ち出して処分します。
定植時(苗を畝の植え穴に入れた後に)に、高い浸透移行性がある「オルトラン粒剤」を1株あたり2g、株元散布(株の周辺に、丸く円をかくように散布)します。  
株元散布
 
株元散布
「アフィパール」(コレマンアブラバチ)を放飼します。その際、「アフィバンク」(コムギ約250本と、イネ科の植物のみに寄生する「ムギクビレアブラムシ」約500頭)を施設内に導入し、アフィパールの寄生を安定させます。

「アフィバンク」と「アフィパール」をセットで使用すると効果的です。
天敵放飼後に化学薬剤を散布する場合は、天敵に影響の少ない薬剤を使用します。
同一系統の連用は、薬剤感受性の低下につながりますので、異なる系統の薬剤をローテーション散布してください。
 
 
 
 
 
 
 
「発生(発病)状況」や「防除のポイント」など、このページでご紹介した情報は一例です。
地域に「防除暦」などがある場合は優先的に参照して、注意点などをご確認ください。
対象病害虫、回数、収穫使用前日数などについては、使用前に必ずラベルを確認してください。