りんごのハダニ類
 
【ハダニとは】
ハダニは足が8本あることから、昆虫ではなく蜘蛛の仲間に分類されます。クモの巣状の網をかける習性もあります。
ナミハダニ
ナミハダニ
りんご栽培で主に発生するハダニの種類は、「ナミハダニ」と「リンゴハダニ」です。
リンゴハダニ
「リンゴハダニ」は、体長が約0.3mm~0.5mmくらいで「暗い赤色」をしています。また、背面の毛の生え際に白い「こぶ」があります。
「リンゴハダニ」は、「葉」の表と裏の両面に寄生して「葉」の養液を吸汁するので、葉の色が緑色から白くかすんだようになってきます。
「ナミハダニ」の被害も初期症状は同じですが、被害がすすむと早期に落葉します。
また、被害が拡大すると木の勢いが衰えて、果実の「肥大」や「糖度」などに影響が出ます。
ハダニは、1回の産卵数が100~150個と非常に多く、短期間(約10日間)で世代交代をして繁殖を繰り返していきます。(25度の適温時)
 
 
【発生状況】
「リンゴハダニ」は、9月頃から越冬卵を産むようになり、卵で越冬します。「リンゴハダニ」の卵は、赤色をしています。
リンゴハダニの卵
リンゴハダニの卵
「リンゴハダニ」の越冬卵が孵化(ふか)する時期は、展葉期から開花期までです。6月頃から樹全体に分散して、夏の7月~8月に爆発的に増加します。
一般的に、ハダニは気温が10度前後になると発育が始まり、25度以上になる7月~8月の高温乾燥条件下で、爆発的に増加します。
また、「越冬ダニ(春ダニ)」の4月、「夏ダニ」の7、8月、「秋ダニ」の9、10月の発生が目立ちます。
「ナミハダニ」は、幹や枝の粗皮下、雑草などで越冬し、春になると「越冬ダニ」として活動を再開します。
 
 
 
【防除のポイント】
雑草が生える4月頃から「ハダニ」の発生源となる下草を定期的に除去します。
草刈後は、ハダニが幹に這い上がってくることがあるので注意が必要です。
葉が生い茂る時期に「スパイカルプラス(ミヤコカブリダニ)」を、一樹に3~4パックを装着します。
その際、雨水対策として「防水カバー」を付けてください。
詳しくはお問合わせください
 
「防水カバー」を付けたスパイカルプラス
防水カバーの中に「スパイカルプラス」を入れて枝に吊るした写真
化学薬品を使用する際は、薬剤抵抗性の発達を抑えるため、同一の系統の連続使用はさけて、ローテーションを心がけてください。
休眠期にに幹の粗皮を削り取り、隠れていた害虫やカビを表に出して、冬の寒さに当てることにより病害虫を防除します。
冬季に誘殺バンドを使用する際は、12月~2月に取り外して、バンド内で越冬している「ナミハダニ」などを焼却処分して、越冬密度を低下させます。
「リンゴハダニ」の卵には、春にマシン油などを散布して防除します。
 
 
 
 
 
 
 
 
「発生(発病)状況」や「防除のポイント」など、このページでご紹介した情報は一例です。
地域に「防除暦」などがある場合は優先的に参照して、注意点などをご確認ください。
対象病害虫、回数、収穫使用前日数などについては、使用前に必ずラベルを確認してください。