房採りトマトとオランダパプリカの

種子販売開始

(株)アリスタ ライフサイエンス

- アリスタ ライフサイエンス農薬ガイドNo.89/D (1998.10.1) -

*お問合わせ先:(株)アリスタ ライフサイエンス
生物産業部アグロテック課
TEL 03-3588-7579

 


 


 

(株)アリスタ ライフサイエンスでは、1998年4月にオランダの大手種苗メーカーであるエンザ社と契約し、わが国における同社種子製品の販売を開始しました。今回発売した品種は房採りトマトとオランダパプリカです。

1.房採りトマト「レンブラント」

ブドウのように房ごと収穫できる房採りトマトは、オランダでこの5、6年の間に急速に普及し、現在同国のトマト栽培面積の6割以上を占めています。その生産物は欧米諸国や日本へ輸出されています。

今回発売された品種「レンブラント」はオランダで栽培されている房採りトマト品種のなかでも特に食味に優れていることで知られており、収穫された房の美しさも高く評価されています。姉妹品種として、レンブラントよりも耐病性に優れる「ファン・ゴッホ」も同時発売しました。


▲房採りトマト「レンブラント」

第1表 房採りトマト品種の特長
品種名 耐病性 特長
レンブラント TmC5VF2+wi 食味優れ糖度高い。1果重35~45gの中玉サイズ
ファン・ゴッホ TmC5VF2FrN+wi 耐病性高い。1果重50~60gでやや大きい。

2.オランダパプリカ

この3、4年にオランダやニュージーランドからわが国へのパプリカの生産物輸入が急増しておりますが、わが国の主なピーマン産地では、過去にパプリカを試作し、目標収量が得られなかったなどの記録があります。

今回のパプリカ種子の導入は、

  • オランダでトップクラスのシェアを誇るエンザ社の優良品種を用いる。
  • 各産地がエンザ社より直接栽培指導を受けながら、技術確立する。

という方法にて取組み、国内にパプリカの有力産地が生まれるよう支援して行きます。


第1図 パプリカの整枝・摘果


▲エンザ社のパプリカ

第2表 エンザ社パプリカ品種の特長
品種名 収穫できる色
(変化)
大きさ
(直径)
抵抗性 特性
スピリット 緑→赤 75 - 85mm Tm2 ガラス温室、ビニールハウス両方に向く。
高めの夜温を好む(摂氏17~18度)。
多収量で、着色早い、尻腐れ少ない。
エジソン 緑→赤 85mm Tm2 ビニールハウス、軒の低いハウス向き。
緑色での収穫にも向く。多収量で大果。
フィエスタ 緑→黄 75 - 85mm Tm2 草丈高く、ガラス温室、軒高いハウス向き。
低めの夜温を好む(摂氏16~17度)
特に、多収量で、着色鮮やか。
カピーノ 緑→黄 75mm Tm2+PVY ビニールハウス向き。
土耕に適する。多収量。
イーグル 緑→オレンジ 75 - 85mm Tm() 果形揃いが良く、大果。
肩の裂果が少ない。
その他 白、紫、茶、黒、ミント色など、多品種あります。
抵抗性~ Tm0:タバコモザイクウイルス トマト系
Tm2:タバコモザイクウイルス トウガラシ系
PVY:ジャガイモYウイルス

房採りトマト栽培のコツ

栽植株数:2,000~2,500株/10a

摘  果:1~4段は6~7果、5~8段は7~8果、9段以上では8~9果に必ず摘果する。

パプリカ栽培のコツ

  • 栽植密度:3,000~4,000株/10aかつ1株を2本仕立(主枝2本)。株間は35~42cm。
  • 整枝・摘果:第1花を必ず摘果し、その部分から2本仕立て(主枝2本)にする。

摘果する場所(第1図×印):第1花、主枝上の2、3花と第6花。およびすべての側枝上の花。

着果すべき場所(第1図○印):主枝上の第4、5花と第7花以降のすべての主枝上の花。

側枝の処理(第1図※印):主枝上の着果すべき花を誤って落とした場合は、その場所の側枝に1果実のみを着果させる。