アリスタIPM通信 「スパイカルEX」の特長と使い方
 
 
「スパイカルEX」の特長と使い方
 

定植後1ヶ月目当たりに放飼すると長期間ハダニを防除してくれるスパイカルEXの効率的な使い方を紹介します。

チリカブリダニが市販された頃に天敵を利用した人の多くが『天敵は効かないもの』と認識されたのではないでしょうか?  天敵利用はそんなイメージが強いですが、当時とは状況が大きく変わっています。スパイカルEXの登場、天敵に影響の少ない殺虫剤・殺ダニ剤が充実されてきたことによりイチゴにおける天敵利用はより身近なものになりつつあります。


スパイカルEXを利用したIPMプログラムは次のような作業を行ないます。

  本圃への定植が終わったら、速やかに比較的残効性の短いアファームやコロマイトを散布してスパイカルEX放飼前にハダニの密度をゼロにします。
  スパイカルEXの放飼:アファームやコロマイトの散布2週間後を目安に、スパイカルEXを放飼します。スパイカルEXは餌ダニ(非農業害虫)を加えているので、放飼後速やかに増殖し、定着します。
  天敵放飼1-2週間は天敵の流出を防ぐため薬剤散布や葉かきを可能な限り行わないのがポイント。
  スパイカルEX放飼以降11月から2月まではハダニの発生が抑制できます。もしハダニが顕著に見られた場合には天敵導入後は天敵を殺さない選択性薬剤(オサダン、ニッソラン、マイトコーネ、ダニサラバ、スターマイトなど)や気門封鎖剤を利用します。(この時期のハダニの発生は定植時のハダニの発生密度によりますので、できるだけ定植後のハダニの密度を少なくすることが重要となります)
  2月中下旬のダニの発生時期にはスパイデックスを追加放飼します。これ以降は放飼したスパイカルEXとスパイデックスにより春先までハダニを捕食してくれます。
  アザミウマが発生する4月中下旬以降は殺虫剤中心の防除に切り替えてください。
  実感できる天敵の効果
 
・今年はハダニの発生が少ない気がするなぁ・・・(ハダニ発生防止)
・ハダニがいるけど被害が出ないなぁ・・・(ハダニ密度抑制)
・昨年より散布回数が減ったかも・・・(散布回数の削減)
・農薬の効きが良くなった気がする・・・(農薬との相乗効果)
・今年は収穫時でもイチゴが元気だなぁ・・・(効果の持続・作物の樹勢の継続)
などの目に見えない部分でも、実は天敵が貢献しているのです。
 
「スパイカルEX」の特長と使い方
 
※上記の表は栃木県の例です。東海以西では放飼時期が一ヶ月程度ずれることになります。
 
 
※2009年10月28日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。