アリスタIPM通信 バチスター水和剤のかんきつの灰色かび病に対する適用拡大とIPM防除について
 
 
バチスター水和剤のかんきつの灰色かび病に対する
適用拡大とIPM防除について
 
バチスター水和剤は、野菜類で灰色かび病・うどんこ病の登録がありますがかんきつの灰色かび病にも2013年11月6日付で適用拡大となりました。

バチスター水和剤はバチルス ズブチリス菌Y1336株の生芽胞を主成分とする微生物殺菌剤です。バチルス ズブチリス菌は納豆菌の1種であり、環境に対する影響、各種残留問題、人畜に対する毒性の心配がありません。有機JAS法に適合し、農薬散布回数にカウントされず、有機栽培・特別栽培農産物でも使用可能です。

バチスター水和剤の作用機作バチスター水和剤の使用に当たっては、病害の発生前に予防的に散布してください。バチルス ズブチリス菌が植物体上で、病原菌が発芽に必要とする栄養分を事前に吸収することで病原菌の発生を抑える作用があります。

2011年~2012年に日本植物防疫協会による新農薬実用化試験においてバチスター水和剤 かんきつの
灰色かび病に対する効果試験を実施しましたので、次頁に事例を紹介いたします。


下のグラフのように、バチスター水和剤1000倍の3回散布は無処理区と比較して発病度を抑えていましたので、かんきつの灰色かび病に対して十分な効果があります。
バチスター水和剤のかんきつの灰色かび病に対する適用拡大とIPM防除について
 
なお、ハウスかんきつではスワルスキープラス(適用表は1ページ目をご覧ください。)を利用したIPM防除体系が各地で試験され、普及拡大しています。加温のハウスみかんで開花後にスワルスキーカブリダニに対して影響の短い殺ダニ剤を散布し、その影響がなくなる時期にスワルスキープラスを放飼し、サイド開放までの期間の殺ダニ剤散布回数を軽減する目的で利用されています。サイド開放までの期間はハウス内の湿度が高く、暖房の設定温度も最低気温が20℃以上である上、果実に傷をつけないように移動しながら薬剤散布しなければならないため、重労働となっています。また、近年、各種殺ダニ剤に対する感受性低下の問題もあり、スワルスキープラスの利用面積が拡大しています。
スワルスキープラスのハウスミカンでの設置状況 葉柄上のスワルスキーカブリダニ ミカンハダニを捕食するスワルスキーカブリダニ
スワルスキープラスの
ハウスミカンでの設置状況
葉柄上の
スワルスキーカブリダニ
ミカンハダニを捕食する
スワルスキーカブリダニ
 
灰色かび病の発生する地域では是非バチスター水和剤をお試しください。
 
 
 
 
※2014年1月31日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。