アリスタIPM通信 生産者の声(いちご、スパイカルEX、スパイデックス、ナチュポール・ブラック)
 
 
生産者の声
 
JAくま 苺部会 那須
重実 部会長
 
熊本県・人吉球磨地域は、日本3大急流の一つとして知られる「球磨川」に育まれ、九州の小京都とも呼ばれる山紫水明の地域で、古くから「五木の子守歌」や「球磨焼酎」などでも知られています。

晩秋より早春にかけ霧が深くたちこめ、寒暖の差があり、この地域農業の拠点的な役割を担うJA球磨ではメロン、イチゴ、キュウリ等の施設園芸も盛んで、苺部会は会員106戸、面積約16.88haの面積を有し、熊本県独自品種「ひのしずく」や「さがほのか」「紅ほっぺ」などが栽培され、県内でも有数の産地として知られています。

こちらの部会の特長は、全会員が県知事認定のエコファーマー制度の認定を受け、環境にやさしい農業の実現に取り組んでいるところです。特に近年、病害虫対策ではハダニの防除が難しくなり、減化学農薬栽培の推進とも相まって、JA部会ぐるみでの天敵利用への取り組みも始まりました。
今回は、JAくま 苺部会長でもある那須 重実さんの、天敵とクロマルハナバチの利用事例についてご紹介します。


「JAくま」の12年度販売数量は562t、販売高は6億3,033万円、10a当り平均収量は3.3t。昨年はJAくまで過去最高の販売数量となりました。

13年度の目標、①エコファーマー認定農家の部会として、安全・安心はもとより消費地から信頼される品質・規格での供給、②健苗育成や圃場の早期準備の徹底、③品種に対応した技術の習得、④10a当り平均収量4t、kg単価1,100円、総販売金額6億5千万円を目標としています。
  重実 部会長
重実 部会長
 

天敵利用
2012年1月にハダニが発生し7~8種類の殺虫剤を使用するがハダニを抑えられなかった時に天敵を薦められ、2月中旬にスパイデックスを使用したところハダニの密度が減り始め、3月にスパイデックス追加放飼を行いハダニを抑える事が出来ました。

他の部会員に薦めるにあたり、栽培時のハダニ類の被害拡大を抑えようと、天敵利用の講習会を開きました。ハダニは、薬剤のかかりにくい葉裏に寄生し、薬剤を散布しても発生することが多い上、近年は薬剤に対する抵抗性発達により多発してしまうことがあります。そこで、天敵利用による防除に切り替えました。また、そうすることで、防除作業時間の短縮や開花・収穫ピーク時等の薬剤防除が難しい時でも利用しやすいといった長所があります。

部会全体で取り組むため、13年度は11月からスパイカルEXとスパイデックスの同時放飼技術を私の圃場で試験を始めてから、他30名の部会員の方々に天敵利用をしてもらう事にしました。

マルハナバチの利用
球磨地区は寒暖差が大きく、1月下旬から3月上旬まで温度が低くなるとともに、盆地特有の霧が発生しやすく朝から昼過ぎまで霧が立ち込める事で、特に紫外線を必要とするミツバチは働きが低下してしまい、毎年この時期になると奇形果の発生に困っていました。

アリスタからの提案を受け、今シーズンから厳寒期に全国的にイチゴでの使用が増え始めたナチュポール・ブラック(クロマルハナバチ)を使いミツバチと併用し、試験的に導入を始め受粉率を上げる試みに取り組み始めました。現在の所、曇天時や冷え込みの厳しい早朝にもナチュポール・ブラック(クロマルハナバチ)は順調に花から花へと授粉活動を行っています。

 
 
 
※2014年1月31日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。