アリスタIPM通信 【海外ニュース】病害虫情報ではありませんが
 
 
【海外ニュース】病害虫情報ではありませんが
 
和田哲夫

欧米のキュウリ栽培においては、オランダとカナダが高性能の大型ガラスハウスでの栽培面積が大きく、それぞれ640ヘクタール、300ヘクタール、その次が、イギリス、米国の100ヘクタールという順番となっている。(国際温室野菜生産統計2014年より)

これらのハイテクガラス温室でのキュウリの生産量は、10アール当り70トンから80トン。つまり平方メートル当り7~80kgの収量を達成している。日本のキュウリの収量は10アール当り5トン程度(日本の全キュウリでの平均値  農水省統計)であり、品種と作形(露地も含むが)が違うとはいえ、その差には驚かされるものがある。オランダのハウス農家の収入が高いのも納得できる理由の一つです。

欧州種キュウリは作物の丈が高く、垂直に仕立てる必要があり、天井から下げた誘引のロープにプラスティック クリップやその他資材(細紐など)で誘引する必要がある。(これは日本も同じ)。
プラスティック クリップの場合、枝を曲げる必要も出てきて、枝が折れたりするリスクもあり、また価格も決して安くはない。

3年ほど前より、トムシステムというスペインの会社が考案した生分解性のメタルリングを使う電動フッカーがトマト用に開発された。  *他にもナス、パプリカやピーマンの誘引にも使えます。
トマトの場合、幹が太いので内径が21mmだが、キュウリ用に14mmのフッカーが開発された。リングがひもと茎を束ねるために植物の茎へのダメージが少ないのに加え、プラスティックより安いため、たくさんリングをつけられることで好評のようである。

プラスティック クリップでの誘引は1時間当り1200株くらいが作業量のマックスだが、このトムシステムでは最大1600株の作業が可能で30%の人件費削減が可能となる。

機械本体が重いようなので、女性が使う場合は、ウェイトバランサーという台車についている横棒からぶら下げて使用するようになっている。男性の場合はウェイトバランサーがなくても使用可能で、バッテリーはウェストポーチのように腰につけるようになっている。

オランダではこの機械のお陰で、一人で1ヘクタールの誘引ができるようになったとのこと。

日本では1時間でほぼ10アールの誘引が可能となり、長期採りによる増収効果が望めるかもしれない。台車を使う場合、通路はかなり平坦でないと使いにくいかもしれないが。

【海外ニュース】病害虫情報ではありませんが

 

※2015年1月29日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。