アリスタIPM通信 【海外ニュース】オランダニュース
 
 
【海外ニュース】オランダニュース
 
和田 哲夫


本年末までにジオサーマル井戸注1が完成し、10ヶ所(50ha)の大型温室群で加温栽培が実現可能となる。

地熱による温湯給水ヒーティングシステムが利用できるようになる。温水は地下2.3kmから汲み上げるが、近隣住民の了解も得られている。

温水管はまず育苗会社の温室とつながり、その他 7社のトマト栽培会社、1社のナス栽培温室、1社の鉢物栽培会社の温室とコネクトされる。

これらのハウスは近接しておらず、約7.2kmの円内に建設されている。今年の3月にドリリングサイト(井戸掘削地点)が建設され、6月から9月までドリリング注2をおこない、年末に最初の温室と連結される予定。

訳者 注:
ハウス栽培のおける最大のコストはヒーティングコストである。
日本も重油に頼る栽培が多いため、ハウス内の温度を下げ気味に管理している。このため、収量も少なくなり、また天敵昆虫や微生物製剤も働きにくいという問題がある。このオランダの例のように、50haくらいの温室群で温水井を共有すれば日本でのコスト面の優位性は出てくるのでは。火力発電所とのコージェネレ-ションシステム注3と比較する必要があるが、ランニングコスト含め、優位性はあると推定される。オランダ人の先進性とエンジニアリング力を示すプロジェクトである。

注1: 地熱井
注2: 掘削
注3: 「コージェネレーションシステム」とは、熱源より電力と熱を生産し供給するシステムの総称であり、国内では「コージェネ」あるいは「熱電併給」、海外では、”Combined Heat & Power”あるいは”Cogeneration”等と呼ばれる。

※2015年5月7日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。