アリスタIPM通信 露地ナスのスワルスキー利用について(中間報告)
 
 
土壌改良資材 トリコデソイル現地レポート (速報)
 
マーケティング部 須藤修
 
熊本県阿蘇郡西原村は熊本市から東へ20km、ちょうど阿蘇カルデラの西側に位置する緑豊かな村です。

甘藷(サツマイモ)、サトイモ、落花生などがこの地の特産品で、広々とした農地が広がります。今回、西原村の特産品である甘藷で、トリコデソイルの効果を確認しましたので取り急ぎ報告いたします。

 

土壌改良資材 トリコデソイル現地レポート (速報)
トリコデソイルは、トリコデルマ ハルジアナムT-22菌株を主体とする土壌改良資材です。

本資材に着目していただける生産者さんは近年増加傾向にあり、さまざまな作物で実証試験が行われています。

トリコデソイルは、有用菌が作物の根に共生する結果、効率的に作物に栄養を供給する微生物資材です。

また、トリコデルマ菌は土壌に生息する病原性の微生物に比べ、大変増殖スピードが速く、結果的にトリコデルマ菌優先の土壌環境を作ります。その結果、土壌病害にかかりにくい土壌環境に誘導することにより健全な植物体を維持することに貢献します。特にトリコデソイルに使用されている菌は長年の研究によって選び抜かれたT-22菌株を使用しています。

試験に使用した品種は、しっとりとした食味で人気の「シルクスイート」です。

今回の現地実証試験は、トリコデソイルを処理することによる増収効果を確認することが第一の目的です。同時に植物体の健全化による、つる割軽減の確認と 掘り取り貯蔵後の品質維持の可能性確認についても調査を行います。

今年6月7日に黒マルチ被覆後、挿苗定植し、慣行管理を行ってきました。

トリコデソイルは500倍希釈液で苗の茎下部10cm程度を24時間浸漬し、それを用いました。

同様の希釈液で植え付け時に灌注処理も行っています。

今回(9月17日)、各区3株の試し掘りを行いました。

試験反復数は少ないですが、結果は驚くべきものでした。

土壌改良資材 トリコデソイル現地レポート (速報)
トリコデソイル無処理区のイモはこの時点ではまだ小さく、十分な肥大にはもう少し時間を要するような印象を受けました。

トリコデソイル処理区の方は苗の活着が早く、栽培中にもつる割れ症状はなく、十分なイモの肥大が認められ、その差は明らかでした。トリコデソイルの処理により、効率的な栄養素の供給、根圏の土壌環境の改善に貢献できた可能性が考えられます。

本試験の結果は、サツマイモの増収に寄与できるばかりではなく、早期出荷によって様々な品質リスク(ハリガネムシの侵入など)の回避の可能性も示唆しています。

土壌改良資材 トリコデソイル現地レポート (速報)
これまで、トリコデソイルの試験は果菜類で多数行われてきましたが、今回、いも類での貴重な知見が得られました。大幅な増収、品質の改善を期待させる好例であり、今後のさらなる実地試験例の蓄積が望まれます。

さらに、いも類以外の根菜類での可能性も今後検討してみたいと思います。

試験で掘り取ったイモは、貯蔵後の傷みの確認のため、フリーザーパックに入れて倉庫で保管し経過観察しています。

そちらの結果も併せ、今後の検討結果にご期待ください!!

トリコデソイル
トリコデソイル
 
 

※2015年10月1日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。