アリスタIPM通信 殺虫剤と抵抗性について(有機リン剤)
 
 
殺虫剤と抵抗性について(有機リン剤)
 
テクニカルオフィサー 和田哲夫
 
 
過去70年以上にわたり、農業用の殺虫剤が開発され、期待をもって販売が開始され、その後、数年して対象害虫の抵抗性問題が起き、その結果などからその殺虫剤が市場から姿を消していくという殺虫剤のサイクルがあります(登録が維持されていたとして)。

これは、有機リン剤の後に開発されたピレスロイド系の殺虫剤、ネオニコ系の殺虫剤、最近のリアノジン受容体標的剤についても、あてはまります。

殺虫剤と抵抗性について(有機リン剤)

農薬が使われなくなる理由には、登録がなくなることから始まり、いくつかあります。
その中でも、もっとも大きな理由は効果の低下です。これは害虫や病原菌のその農薬に対して抵抗性をもつものが増えることにより、問題化して来るものです。

近年、天敵昆虫や微生物殺虫剤が使われてくるようになったのも、主な理由は、化学殺虫剤の抵抗性が温室野菜などで、高まり、効果のある剤が少なくなってきたというところにあります。もちろん他の理由もありますが、抵抗性は栽培での大きな悩みの種であることに間違いはありません。

上記の表を見ると、登録作物の数の多寡もその剤の盛衰にとって重要に思われます。それだけの使い勝手のよさの表われでもあるからです。
そして販売数量がその時点でのその剤の重要な評価点であるともいえるでしょう。
また毒性分類が普通物であることも、重要な評価点といえます。

現在オルトラン粒剤は日本でもっとも使われている粒剤であるということが分かります。
この事実はとりもなおさず、オルトラン粒剤の効果が安定しているということの裏づけでもあります。

オルトランは、他の殺虫剤にくらべ、抵抗性に関連する酵素に分解される部位が少ないということが研究者によって指摘されています。

またトクチオンについては、前掲の表からもわかるように、世界でもっとも後から、出てきた有機リン剤です。
つまりそれまでの剤と比較して、優れたところがあるので、スポットライトを浴びたのです。

効果は、遅効的ですが、そのため(活性物質がすこしたってから出てくるので)、ネギアザミウマなどの部分的抵抗性害虫にも効果があることが知られています。




※2016年8月5日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。