アリスタIPM通信 生産者の声(いちご、ナチュポール・ブラック)
 
 
生産者の声(いちご、ナチュポール・ブラック)
 
JAみやぎ亘理 いちご部会
岩佐 伯又さん
 

宮城県南東部の亘理郡に位置するJAみやぎ亘理では、温暖な気候を活かし、イチゴの栽培が盛んに行われています。

東日本大震災の被害により生産量が減少したものの、大型ハウス団地として復旧し、現在は東北一のイチゴ産地として再生しています。

この地域では、いちご部会の約7割の方がハダニの防除に天敵を利用しており、また大型ハウスでは受粉にマルハナバチも利用されています。

今回は、山下地区でイチゴを栽培されている岩佐 伯又さんに、天敵およびクロマルハナバチ「ナチュポール・ブラック」をご利用頂いた感想と、新規に取組んで頂いた育苗期の天敵利用についてのご意見を伺いました。

 
岩佐 伯又さん
岩佐 伯又さん
 

大型ハウスでのイチゴ栽培概要
ハウス面積は30aで、品種はとちおとめです。
高設ベンチを用いた養液栽培システムを利用しており、収量向上のためにCO2発生装置なども利用しています。イチゴの品質向上のため、温室度、CO2濃度などを測定する環境測定装置も活用しています。栽培期間は9月から6月までです。

ハダニの薬剤抵抗性に悩まされ、天敵を導入
5年ほど前からハダニの薬剤抵抗性が問題になってきたため、ハダニの天敵であるスパイカルとスパイデックスを使い始めました。当初は使い方も分かっていなかったためか、あまり効果を実感できなかったように思います。
震災後は地域で天敵に取組み、情報共有できた結果、有効な使い方ができるようになりました。今では効果を実感しており、毎年使用しています。

薬剤の回数が減って楽になった
天敵利用のメリットとしては、薬剤の使用回数が減って楽になったことです。収穫が忙しい時期に薬剤散布も必要となると、労力的にかなり大変です。特に春以降はほとんどダニ剤を散布せずに済んでいるのが良いですね。

天敵利用の成功のポイントとして、天敵導入前のハダニ防除は徹底しているつもりですが、それでもハダニを減らし切れない状況になっています。ある程度天敵の量を増やすなど、使い方にも工夫が必要だと思います。
大型ハウスは特に乾燥しやすく、天敵の働きにも影響があると思いますので、湿度管理にも気をつけています。


イチゴの受粉にナチュポール・ブラックを活用
大型ハウスで栽培を始めて1年目に受粉用のミツバチの働きが不安定で困っていたところ、クロマルハナバチの「ナチュポール・ブラック」を紹介してもらいました。実際に利用したところ、問題なく飛んでくれました。ただ、当初は使い方に慣れておらず、逆に飛び過ぎてしまったようで、過剰訪花気味になったりもしました。今は訪花時間を制限しつつ活用しています。
1年目と比べてミツバチも飛ぶようになりましたが、特に寒い時期や春先はミツバチも活動しにくいようなので、ナチュポール・ブラックを併用しています。そんな時期でもクロマルハナバチは問題なく働いてくれますね。

イチゴ育苗期の天敵利用にも期待
最近はイチゴの育苗期からハダニの発生が多く、3日に1回の頻度でダニ剤を散布することもありました。育苗期でも天敵が活用できれば薬剤の散布回数が減らせると思い、親苗の天敵利用に取り組みました。
5月にスパイカルプラスとスパイデックスを導入した結果、親苗での薬剤の使用回数を減らすことができました。育苗期に導入した天敵が本圃まで活用できればベストなのですが、子苗切り離し後の栽培管理や病害虫防除の影響で継続利用は難しいようです。

本圃での天敵の効果は実感しているので、来作の本圃でもまた天敵を導入したいと思います。

 
岩佐 伯又さん
 
 

※2016年8月5日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。