アリスタ通信 ハーモザイムの効果実証試験について
 
 
ハーモザイムの効果実証試験について
 
マーケティング部 須藤修
 
 
ハーモザイム
前号(28号)でお知らせいたしました、葉面散布肥料「ハーモザイム」のモニター・キャンペーンはおかげさまで多数の参加ご希望をいただきました。現在、全国規模でハーモザイムの効果実証試験が進んでいます。

公表可能な試験結果は順次ホームページ上の「農家レポート」に結果報告を速報として掲載しておりますが、今回はその中でも大変興味深い結果が得られました「きゅうり」での試験適用例についてご紹介いたします。


試験概要
・試験作物: きゅうり 「おおのぞみ」
・評価圃場: 福島県須賀川市 I様圃場
・施設: 防虫ネット栽培施設
・栽培期間: 定植2016年5月18日~10月まで収穫
・試験規模: 800本/20a
・ハーモザイムの散布: 計11回(7/24、7/28、8/5、8/15、8/21、8/25、8/31、9/5、9/10、9/15、9/22)各回1000倍希釈液を250ℓ/10aの割合で自走式スプレイヤーにて散布
ハーモザイムの効果実証試験について
 
収量比較
8月~9月の2ケ月間 の当該ハウスの出荷データ*を昨年(2015年)同時期のものと比較しました。

・当該期間の全収穫量は昨年同時期の比で119%(以下、重量比)でした。最も品質の良いA等級品*だけの比較では、127%に増収していました(グラフ)。約2トンのA等級品が昨年よりも収穫できたことになります。

ハーモザイムの効果実証試験について
   
・総収穫重量に関しては、散布開始から1ヶ月間は、それほど大きな差は見られませんでした。

一方、A等級品に関しては、散布直後から増収効果が現れました。

即ち、ハーモザイムを処理することによって、まず高品質果実の比率が向上し、その後徐々に全体的に収量がアップしていったことを物語っています。

ハーモザイムの効果実証試験について
ハーモザイムの効果実証試験について
 
 
 
農家さんの感想
「ハーモザイム2回散布後から、着果数がはっきりと増えていることを実感しました。かつて経験したことのない「鈴なり状態」でした。」

「曲がり果が少なくなり、A等級品の割合が高い水準で維持できました。」

「収量が一時的に増えると、むしろ植物体に負担がかかり、その後の成り疲れの反動
が心配されましたが「ハーモザイム」を連続散布することによりこれは杞憂に終わりました。収量はコンスタントに増加傾向にありました。」

「着花状態からスムーズに果実肥大に進み、落花(果)が極端に減ったように感じてい
ます。」

「今年(2016年)の9月は記録的な長雨で、日照時間は短く、きゅうりの栽培環境としては最悪と言っても良い状況でした。夏以降の草勢の衰えた状態でこのようなストレス
に遭遇すると、「曲がり果」や「しり太り果」が増えていき、収益への影響は避けられません。9月には早々と栽培を終了した農家も多かったように見受けられましたが、私の圃場では悪いながらもハーモザイム散布で10月まで収穫を続けることが出来ました。」
写真4:伸び伸びとストレスなく肥大したきゅうり
写真4:伸び伸びとストレスなく肥大したきゅうり
 
 
評価を終えて
・ハーモザイムをきゅうりに連続散布することにより、明確な増収効果と品質改善効果を確認できました。
今回の増収結果は、仮にきゅうり出荷平均価格を1000円/kgと想定した場合、200万円の収益増に貢献したことになります(昨年比)。また、曲がり果の軽減はより高収益型の経営に貢献できるもので、今後他の品種、地域、作型においても同様の確認を続け、実証データを蓄積していきたいと考えています。
・しかし、大幅な着果促進自体が逆に植物体にストレスを与えてしまうというリスクも考えなければなりません。今回の着果促進に耐えうる強健な植物体作りや根圏の育成でバランスよく植物体を作っていくことも今後の要求に応えるべき課題だと考えます。

弊社製品「トリコデソイル」との体系処理等の必要性も、新しい提案として興味深い課題であると考えます。
トリコデソイル
 

※2016年10月20日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。