アリスタIPM通信 微生物農薬の上手な使い方
 
 
微生物農薬の上手な使い方
 
マイコタールの有効成分はバーティシリウム レカニという糸状菌で、様々な昆虫に寄生する菌として知られています。マイコタールは、アザミウマ類・コナジラミ類に寄生します。  
マイコタール

この菌は温帯・熱帯地方に分布し、土壌中からも分離できます。5~30℃の範囲で生育し、5℃以下、35℃以上では生育できません。適温は20~25℃で、最適湿度は80%以上です。害虫の体表面に付着した胞子(分生子)は発芽して発芽管が虫の表皮を貫通して体腔内に侵入します。

感染したコナジラミ
  その後、菌糸は体液中で増殖し虫の体内の栄養分を奪い取ります。糸状菌製剤は害虫生育ステージによって感染の感受性に差がありますし、散布時の温度・湿度条件が効果発現に影響するので、5-7日間の間隔で複数回(2回~4回)の散布を行うことを推奨しています。このため、マイコタール水和剤の散布は温度・湿度条件として温度20~25℃、湿度は80%以上になる時期を選んで行なうと効果的です。
感染したコナジラミ


マイコタールの希釈は、まず10L程度の水でクリーム状になるようにかきまぜ、2~4時間程度直射日光を避ける条件下で静置します。これは胞子を膨潤させ散布後にすぐに発芽を促進させるためです。クリーム状の液体を所定量(1,000倍)に希釈し、夕方・曇天・雨天等の紫外線影響の少なく、湿度を保つことが可能な状況で散布します。

マイコタールは、環境条件が適切であると害虫への感染が速やかに起こり、高い防除効果を示すので薬剤抵抗性害虫の防除では大きな力となっています。スワルスキーやスパイカルEXなどのカブリダニには感染しませんので、IPMプログラムにおいてカブリダニの放飼中にアザミウマやコナジラミの密度を下げる補完防除で利用することを推奨しています。さらに、前述の通り害虫の体表面に胞子が付着し、菌糸が体内に侵入して感染が起きますが、アザミウマ類、コナジラミ類のような微小害虫は短期間に脱皮を繰り返すので付着した胞子が脱落してしまいがちです。 脱皮阻害剤と併用すると効果の向上がみられます。

また、ネオニコチノイド系殺虫剤のような殺虫剤と併用すると害虫の機能を麻痺させたところで、菌糸の体内への侵入が容易におきるので感染力の向上がみられます。このように混用して使用することは、害虫の抵抗性発達を回避する手段として有効です。

 
 
※2010年4月28日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。