アリスタ通信 天敵利用者のイチゴの春先のアザミウマ類防除について
 
 
天敵利用者のイチゴの春先のアザミウマ類防除について
 
アリスタ ライフサイエンス(株)里見純

イチゴでの天敵利用は普及拡大しており、全国的に見ても半数以上の生産者が取り組んでいらっしゃいます。主にハダニ類に対して天敵を利用されていますので、4月以降になるとハウスサイドを開け始め、ハウス外からアザミウマ成虫の飛び込み量が急増し、春先のアザミウマ防除に苦慮されている方が多いと聞きます。

そこで、アザミウマ類の防除について提案いたします。
飛込みが増えてくると、どの薬剤を散布してもなかなか減らないと言う印象を持つ方が多いと思います。
やはり飛び込み量を減らすことが重要です。

イチゴハウスでサイドネットを利用されていらっしゃる生産者はそれほど多くないと思いますので、これが飛び込み量の増加を防ぎきれていない一番の要因だと思われます。
しかしながら、この時期からサイドネットを展帳するのは経済的ではありませんし、作業的にも無理があります。
サイドネットを利用されていない方は次年度の定植前にご検討ください。
最近は、サンサンネットe-redシリーズSLR 2700 (0.8mm目合) とSLR 3200 (0.6mm目合) の利用が拡大しており、アザミウマ類に対しては有効だと言う報告があります。
また、縦糸も横糸も赤色にした新製品を開発中とのことです。

サイドネットを利用していない場合、飛び込み量を減らすには、粘着トラップの利用が効率的です。特にイチゴのアザミウマはヒラズハナアザミウマとミカンキイロアザミウマが主体となります。下記グラフに示すようにホリバー ブルーの方が、捕殺量が多くお勧めです。

天敵利用者のイチゴの春先のアザミウマ類防除について

天敵利用者のイチゴの春先のアザミウマ類防除について


天敵利用者のイチゴの春先のアザミウマ類防除について

さて、物理的防除をした後は、化学的防除を行うことになります。
イチゴのアザミウマ類に対して登録がある薬剤を影響の少ない順に並べてみました(表1)
天敵利用者のイチゴの春先のアザミウマ類防除について

ハダニ類の防除対策としてカブリダニ類を利用されているのであれば、是非、この一覧表の上から順番に利用することをお勧めいたします。
すべて利用すると言うことではなく、いつも利用している薬剤を並べた場合、この表の上から順番に使っていただきたいと言うことです。
具体例を以下に示します。
天敵利用者のイチゴの春先のアザミウマ類防除について

最初に述べましたが、4月以降にサイドネットを開放するとハウス内のアザミウマ数が急増します。
毎年、どんな薬剤を散布しても効かない感じがするのは、飛び込み量が防除圧を上回っているためだと考えられます。
是非、物理的防除を加えた上で化学殺虫剤の利用をお願いいたします。

※2017年4月27日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。