アリスタ通信 施設園芸作経営でのIPM技術の全体的評価について考えてみよう。その2
 
 
施設園芸作経営でのIPM技術の全体的評価について考えてみよう。その2
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
熊本フィールドアドバイザー 荒木 均

前号の冒頭で挙げたが、この「全国農業システム化研究会・IPM実証調査最終成績検討会」では、費用対効果として「市販天敵利用で農薬費を中心にランニングコストが高くなる」といつも指摘される。

そのたびに、IPM技術は単なるコスト評価でなく、経営全体からの相対的なメリットを考える必要があると感じており、私なりに「IPM技術が経営全体に及ぼす相対的な評価」について4つの視点での提案を表にする。

◎ 生産技術と経営改善への寄与!!

品質の向上、管理作業の省力化で規模拡大などの実現

1. キュウリ、メロン、スイカ等の事例
アザミウマ類やコナジラミ類を栽培期間中抑制することで黄化えそ病、退緑黄化病などが激減し収穫期間を延長

2. 促成ナスの事例
天敵利用で、影響の少ない選択性殺虫剤を使用することで、栽培期間中、クロマルハナバチなどの利用を可能とし、大幅な労力軽減が農業経営の改善寄与。

◎ 化学農薬費・ランニングコスト削減への挑戦!!

天敵をうまく利用すれば、低コストで対象害虫をほとんど抑える。

*促成ナス事例:9月定植から翌年6月までの栽培で、農薬費を1/3まで低減するなどの事例も多い
*経験が浅く失敗しやすい事例

1. 天敵を観察できず、害虫もいないのに殺菌剤と併せて、予防的に殺虫剤を混用し農薬費が高くなる傾向。

2. 成功のポイント
①ゼロ放飼防除の徹底
②定植後の早めの放飼
③放飼後は観察技術を磨き、天敵を定着・増殖

◎ 我が家の経営理念や経営目標の確立に向けて!!

環境にやさしい、安全・安心なブランド農産物の生産を目指す経営目標達成の手段としてのIPM。

1. エコファーマー認定目標達成などの個別・地域ぐるみで環境保全型農業への取り組み

2. GAPの導入等による環境に優しい経営の実現と生産物のブランド化による有利販売

◎ 農薬散布作業の省力化と安心防除(リサージェンスの軽減)

対象害虫を天敵が日常捕食しているといった安心感のある防除と農薬の多回・大量散布の解消

*イチゴ事例
ハダニ防除での殺ダニ剤の削減とリサージェンスの軽減
天敵によるハダニの密度抑制と安心感のある防除


※2017年8月9日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。