アリスタ通信 春先のキャベツ害虫に対するジャックポット顆粒水和剤の使い方
 
 
春先のキャベツ害虫に対するジャックポット顆粒水和剤の使い方
 
アリスタ ライフサイエンス(株) 里見 純

かねてより「散布間隔を伸ばしたい」というご希望があった 農業生産法人 株式会社つくば良農にて、今回ご縁があり、BT剤であるジャックポット顆粒水和剤の試験をしていただきました。

試験概要・結果は以下のとおりです。

供試作物: キャベツ(品種:藍宝2号)

定植日: 2017年4月5日

散布月日: 2017年5月27日

供試薬剤: ジャックポット顆粒水和剤(1,000倍)、殺虫剤A剤(2,500倍)

散布方法: 各剤を所定濃度に希釈した薬液に殺菌剤B剤(1,500倍)、殺虫剤C剤(4,000倍)、展着剤D剤(3,000倍)を加用、乗用式スプレーヤーを用いて140ℓ/10a相当量を散布した。

試験面積: 約34a

試験区: ジャックポット顆粒水和剤+A~D剤の慣行防除、約28a。

対照区: A~D剤のみを散布し、慣行防除。

調査方法: 散布11日後の6月7日に各区30株をランダムに抽出し、株全体に寄生する虫の種類を確認し、虫数を数えた。

結果: 両区とも防除率90%以上でしっかりと害虫を抑えられていたものの、対象区を100%とした虫数比較で、アオムシ 54%、ウワバ類 45%、コナガ 85%の比率で防除効果が確認できた。
アイザワイ系とクルスターキ系両方のタンパク毒素を持つハイブリット型 ジャックポット顆粒水和剤を
慣行防除に加用した方が、より高い効果が見込め、加えて コナガに対する残効の長さも期待できる。

試験の結果について場長の青木様にお話を伺いました。

―――キャベツを大面積で栽培されているそうですが、すべての面積を防除するとなると防除回数はどの程度になるのでしょうか?
年間延べ栽培面積約15ha所有しており、1日3ha防除可能です。
栽培期間中に灌注1回、除草剤を0~1回、殺虫殺菌剤は6回の処理を実施しています。
殺虫殺菌剤の散布が7回になることもありますが、5回が理想と考えています。

―――キャベツの問題害虫は何でしょうか?
秋口のオオタバコガ・ハイマガラノメイガの被害が大きいです。
コナガは、経済的被害は少ないものの、春先は密度が上がると問題となるので、A剤を使用しています。

―――今回、ジャックポット顆粒水和剤 を使ってみようと思ったきっかけは何ですか?
現在使用している殺虫剤が、最近、残効性が短くなってきたのではないかと感じていました。そこで、系統の違うジャックポット顆粒水和剤(BT剤) を試したかったのです。いきなりジャックポット顆粒水和剤のみで使用するのも抵抗がありましたので、まずは混用での使用を考えました。散布間隔を2週間空けるのが目標だと考えています。
今回、A剤単用散布はやや虫数が増えてきたところでしたが、ジャックポット顆粒水和剤と混用散布した区は、大丈夫だという印象でした。アオムシやウワバが増えてきましたが、アオムシは孵化幼虫(写真1)が多く外葉にしか見られませんでしたし、ウワバも外葉でしたので、安心して2週間空けることができたと考えています。残効が伸びたので害虫が増えるタイミングがやや遅くなったのがよかったのだと思います。

春先のキャベツ害虫に対するジャックポット顆粒水和剤の使い方

―――なぜ散布間隔を2週間にすることにこだわっているのでしょうか?
労力の問題です。薬剤防除は乗用式ブームスプレーヤーを用いています。
当然、雨が降ると散布できませんし、うかうかしているとすぐにコナガが発生して手に負えない状況になることがあります。そんなときに2週間安心して空けられると作業に余裕ができます。

―――今後の病害虫防除で考えていることはありますか?
秋口の防除も殺虫剤の単剤だけでなくジャックポット顆粒水和剤と混用することを考えています。害虫密度が低ければ、ジャックポット顆粒水和剤単用でもいけるかもしれませんね。

―――今後に期待することはありますか?
安定して残効性を保つことが重要です。使ってみて効かなかったというのが一番困ります。できれば2週間、少なくとも7~10日間効果が持続することが信頼置ける薬剤と考えます。今回の試験で効果は確認できましたので、今後もジャックポット顆粒水和剤を使って安定性を見ていきたいと考えています。

―――本日は、お忙しい中お時間を取って頂き、ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。


ジャックポット顆粒水和剤
圃場の管理をする青木場長
圃場の管理をする青木場長

※2017年8月9日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。