アリスタ通信 現場での天敵談義・フィールドアドバイザー日誌から
 
 
現場での天敵談義・フィールドアドバイザー日誌から
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
フィールドアドバイザー 荒木均
【質  問】
スワルスキーカブリダニ(以下スワルスキー)は、天敵利用の救世主と言われていますが、現場ではどのような作物で利用されていますか。

【回 答】
施設栽培の果菜類を中心に多品目で普及しています。 ~~熊本の事例から~~


スワルスキーは、天敵殺虫剤として施設栽培(野菜類・豆類・果樹類・マンゴー・花き類)や露地栽培(ナス)でアザミウマ類、コナジラミ類、チャノホコリダニ、ミカンハダニを適用害虫として登録されています。熊本でも、有望な作物を選んでは、普及組織やJAなどの皆さんと一緒に各作物別に使えるかどうか現地圃場で実証調査を進めてきました。

技術的には、スワルスキーと対象作物との
①相性(ハウス内温湿度などの環境を含む)
②定着・増殖性
③防除効果があるかがポイントです。

また、経営面では慣行防除と比較して、天敵のコスト面でどうかが判断材料になりますが、スワルスキーを使うと一般的に1/3から1/2程度、農薬の防除回数も減り、農薬散布の重労働から解放されることを大変喜んでもらっています。現在、施設野菜や施設花き類などでの利用状況は次のとおりです。熊本の施設野菜類では、8品目でナス、ピーマン、キュウリ、スイカ、メロン、レイシ(ゴーヤ)、インゲン、オオバで利用されています。作型としても、促成作から夏秋作などフルシーズンで利用されており、スイカなどでは、半促成栽培で、植え替え方式や2番果取り作など長期的に利用されるなどおもしろい事例もあり、農家からはコナジラミ類が本当に減少したと喜んでもらっています。

スワルスキーは、現在露地ナス栽培にも利用され普及が進んでいます。露地野菜では、キュウリやピーマンなどでも登録拡大に向けて実証試験中であり今後が楽しみです。ただ、一方では、アスパラガスなど強い要望があり実証したのですが、定着性はあるものの、アザミウマなどの害虫の増え方に追いつかないなどの防除方法の課題があります。また、時々「トマトで使えないか」質問がありますが、スワルスキーとトマトの相性が良くなく、なかなか増殖しないようです。それからイチゴ作でも、ハウス内の低温管理(冬場の温度管理)などで増殖性が悪く相性が良くないようです。

花きでは、スワルスキーがホオズキ、バラ、ガーベラ等で利用されています。特に、ホオズキでは、県内主要産地では部会ぐるみの取り組みも見られます。


皆さんの地域で、施設野菜などで有望かどうか、実証展示活動を進めてみてはいかがでしょう!!!


※2018年8月31日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。