アリスタ通信 <IPM随想> バラのスリップスとオルトラン粒剤についての挿話
 
 
<IPM随想> バラのスリップスとオルトラン粒剤についての挿話
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
技術顧問 和田 哲夫


今年のバラは、葉を食べるチュウレンジハバチが少なかったので、オルトラン粒剤を撒きませんでした。その結果、5月から6月の開花のときに、バラのスリップス(ハナアザミウマ)が多発して、花びらが吸汁され、花びらに茶色のシミがでてきてしまいました。ある農業試験場の調査では、蕾のときに、少しでも花びらが見えているとスリップスが産卵するようです。また花を触ると数十匹のケシ粒よりも小さいスリップスがぞろぞろ這い出してきて、香を楽しむ気にもなれませんでした。

花がらをいくつも切り取っても、開花前にスリップスが寄生しては、物理的防除は無理ということが分かりました。花を観察すると、クモが待機していたので、捕食してくれるかと思いきや、まったく。
スリップスは減らず、花のほとんどの期間、今年のバラは傷ものになってしましました。
生物防除もとりあえず、放棄。
ボタニガードを使えば良かったかとも思いましたが、登録がないというこの不条理。。。

遅ればせながら、オルトラン粒剤をネットで購入して、株本に処理、散水をすると、なんと3~4日後には、まったくスリップスのいない、傷のないバラが例年のように咲き、香しき香を漂わせてくれるようになりました。
もっと早くオルトランを処理すればよかったなあという、かなり手遅れながらも、防除成功のお話でした。


※2019年7月31日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。