アリスタ通信 <生産者の声> シシトウでの天敵の利用方法
 
 
<生産者の声> シシトウでの天敵の利用方法
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
東京営業所 阿部 雄太


千葉県には、シシトウの栽培を行っている産地が複数あります。

県内一番の産地 JAちばみどり (旭市) において、天敵導入、特別栽培 (減農薬) に最初に取り組んでくださいました松ヶ谷 幸男さんに、シシトウ栽培における天敵利用のポイントやメリットなどを伺ってきました。
松ヶ谷 幸男さん
~ 地域の特徴 ~
・2月下旬~4月上旬に定植 → 10月まで収穫

・特別栽培 (減農薬) に積極的に取り組んでいる

・ 11月以降は、春菊などを栽培
松ヶ谷 幸男さん


天敵導入当初は、「タイリク(タイリクヒメハナカメムシ)」+「ククメリス(ククメリスカブリダニ)」でアザミウマとコナジラミの防除を試みましたが、安定した効果が得られませんでした。「スワルスキー(スワルスキーカブリダニ)販売開始後に「タイリク」+「スワルスキー」 の組み合わせで導入したところ、「スワルスキー」の高い定着・増殖能力のおかげでうまく防除ができるようになり、効果が安定しました。
また、アブラムシ対策に 「アフィパール(コレマンアブラバチ)」は販売当初から利用していましたが、バンカープラント 「アフィバンク」 を導入することで、より一層 効果が安定すると感じておられます。


~ 天敵利用のポイント ~
特別栽培に取り組まれているため、ネットの展帳、ホリバーの設置などの物理的防除でまずは害虫の侵入を減らしています。定植時  (今年は、2/25) にベストガード粒剤を処理し、4月上旬にチェス顆粒水和剤を散布し、中旬に 「アフィバンク」  を導入、その1週間後に 「スワルスキー」 と 「アフィパール」 を放飼、5月上旬に 「タイリク」 を1週間おきに2回放飼し、再度  「アフィパール」 を5/9、5/16の2週連続導入しました。害虫への防除効果を実感されているからこそ、「長年の経験上、このタイミングで天敵を導入するよ。」  と言ってくれます。
その他にも、天敵導入後約2週間は薬剤の散布、整枝などを行わず天敵の早期定着を促しておられます。


~ 天敵を利用するメリット ~
害虫防除にかかる労力の軽減が一番大きいと感じられています。
シシトウは、坪単価の高い作物であるが、収穫、選果に時間がかかるので、省力化に寄与するところは大きいようです。また、農薬の散布回数を減らすことにより、人や環境に対する影響も考慮されています。
その他には、減農薬によって土着のタイリクヒメハナカメムシの発現や、特別栽培 (減農薬) を行っていることで、有利販売に繋がっています。

「今後も天敵を利用していきたい」 とありがたいお言葉をいただきました。
近年気候変動もある中、天敵の使用時期や方法など情報共有をはかり、シシトウ栽培に活用いただけるよう勧めていきたいと思います。


※2019年7月31日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。