アリスタ通信 ねぎ で使用できるアリスタ製品のご紹介
 
 
ねぎ で使用できるアリスタ製品のご紹介
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
業務統括グループ 桃下 光敏

1) トクチオン乳剤による ねぎのアザミウマ類、ネダニ類の防除
トクチオンは「プロチオホス」を有効成分とする有機リン系の殺虫剤であり、初登録から今年で45周年を迎えます。

プロチオホスはチョウ目害虫やアザミウマ類、カイガラムシ類、アブラムシ類、ダニ類、甲虫類などの広範囲の害虫に対して接触毒・食毒両方の殺虫活性を示しますが、特にアザミウマ類やダニ類の幼虫および成虫に対して、即効性と長い残効性を示します。
 
ねぎ で使用できるアリスタ製品のご紹介

「トクチオン乳剤」 はプロチオホスを有効成分とする製剤の中で最も登録作物が多く、2020年3月31日付で「ねぎ」の「アザミウマ類」と「ネダニ類」にも適用拡大されました。本剤はねぎでは新顔になりますが、ねぎと同じヒガンバナ科の「たまねぎ」のネギアザミウマ防除において長年の実績があり、また 「にら」 のネダニ類に対しても各地で使用されています。今回の適用拡大に際して、ねぎにおいても一般社団法人 日本植物防疫協会を通じた公的試験が実施され、アザミウマ類とネダニ類に対して高い防除効果が得られています(下図参照)。
この適用拡大を機に全国のねぎ産地でトクチオン乳剤をご利用いただければ幸いです。

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2) バイオキーパー水和剤 による ねぎ 軟腐病の防除
ねぎの軟腐病は有効な防除薬剤が少なく、夏期のねぎ栽培における難防除の細菌性病害です。バイオキーパー水和剤は非病原性の軟腐病菌 (エルビニア カロトボーラ CGE234M403) を有効成分とし、化学合成殺菌剤とは全く異なる防除メカニズムを持った、耐性菌の発生リスクが少ない軟腐病対象の微生物殺菌剤です。天敵類や訪花昆虫等の有用生物に優しい環境保全型の生物農薬であり、JAS法に適合して農薬散布回数にカウントされませんので、有機栽培・特別栽培でも使用可能です。また収穫直前まで使用可能で使用回数の制限もありません。
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バイオキーパーの防除効果には葉面上で先に栄養を摂取してしまう 「競合効果」 と軟腐病菌を死滅させる抗菌物質 (バクテリオシン) を生産する 「抗菌効果」 があります。ただし治療効果は高くないので軟腐病の発生前から定期的に予防散布しておくことが重要です (下図)。
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雨や高湿度は軟腐病菌の感染を助長しますが、バイオキーパーの菌も同じ性質を持つため、散布前後に降雨があると定着が促進されます。降雨がない場合はバイオキーパーの菌が定着しにくいので散布前後に灌水するなどして水分を補給してください。なお他の軟腐病防除薬剤との混用はできませんが、軟腐病剤散布から3日以上空ければローテーション散布が可能です。
ねぎ軟腐病の発生地域では既存の防除体系にバイオキーパーを組み込むことで防除効果を向上させることが可能であり、軟腐病防除に苦慮しているねぎ産地での普及拡大が期待されます。
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3) セレクト乳剤による一年生イネ科作物の防除

セレクト乳剤は米国シェブロン社により開発され、1996年に日本での登録を取得したイネ科雑草専用の茎葉処理除草剤です。有効成分のクレトジムはイネ科植物と非イネ科植物との間に極めて顕著な選択性を有し、イネ科雑草の茎葉部から吸収された後、クロロシス症状を引き起こして枯死させます。
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セレクト乳剤は茎葉処理により3~5葉期の一年生イネ科雑草に卓効を示しますが、従来のイネ科雑草防除用茎葉処理剤では防除困難だったスズメノカタビラにも高い効果を示します(下図)。また、高い選択性を有するため、ねぎに対して安全に使用できます。また、除草効果が低下しやすい乾燥条件下でも除草効果が低下せず、さらに処理後の降雨による除草効果への影響がほとんどないことも特長です。イネ科の雑草、特にスズメノカタビラの発生にお困りのねぎ生産者の皆様、セレクト乳剤をぜひ選択(セレクト)していただければ幸いです。
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4) トリコデソイルによる土壌微生物相の改善と根張り向上
トリコデソイルは有用微生物トリコデルマ菌を有効成分とした土壌改良資材です。作物の根の周辺に施用することで有効成分の糸状菌トリコデルマ・ハルジアナム  (T-22株)が、根の表面を覆うように素早く増殖し、作物に害を及ぼす悪玉土壌微生物が増えにくい、健全な根圏環境を作ります。また本菌には根毛を増加させて、根張りを促進させる効果があり、それによって作物の生育が向上し、増収が期待できます。トリコデソイルは1gあたり10億個ものトリコデルマ菌を含有した高濃度製品であり、水和剤タイプなので水で希釈して効率的に土壌灌注処理することが可能です。トリコデソイルは野菜類での利用実績が大幅に増えており、ねぎにおいても各地で収穫物の重量アップなどの好結果が得られていますので、ねぎ産地での普及が期待されます。

ねぎ で使用できるアリスタ製品のご紹介


まとめ
今回はトクチオン乳剤のねぎへの適用拡大を機に、ねぎで使用できるアリスタ製品を紹介させていただきました。ねぎの生育ステージと各製品の使用時期を下図にお示し致します。

今回の内容はリーフレット資料を作成して配布しておりますので、関心を持たれた方は当社HP まで”その他のお問い合わせ”フォームよりお問合わせいただければ幸いです。
その他のお問い合わせ:https://www.arystalifescience.jp/refer/refer_index.php

当社HPで、ねぎで使用できる製品紹介も載せておりますのでご覧ください。
https://www.arystalifescience.jp/crop/negi-arysta.php

今後も機会がありましたら作物ごとに使用できるアリスタ製品を技術情報などと併せて紹介していく所存です。
ねぎ で使用できるアリスタ製品のご紹介

※2020年5月8日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。