アリスタ通信 <海外ニュース>コパート社、ミナミアオカメムシに対する生物農薬を開発
 
 
<海外ニュース>コパート社、ミナミアオカメムシに対する生物農薬を開発
 
アリスタ ライフサイエンス(株)
和田 哲夫

オランダ・コパート社は、防除が困難なミナミアオカメムシ (Nezara viridula) に対する生物防除方法を開発しています。オランダなどでは、2022年から商品化される予定です。このカメムシは過去10年にわたり、南ヨーロッパの非加温のハウスでのピーマン、パプリカ、ナス、キュウリなどに被害を与え続けています。

また、近年は、加温ハウスや、先端的な環境制御のできる北ヨーロッパのハウスでも脅威になりつつあります。ヨーロッパで登録されていた本種に効果のある化学農薬の登録がなくなってきたことおよび、気候変動が、本種のハウス内での発生量の増加につながっています。

現在まで、本種へ効果のある防除法は、化学農薬だけでした。ただ、それらの薬剤は、スリップス、ハダニ、アブラムシ、コナジラミへの天敵類にも悪影響をあたえていたのです。低密度の時は、本種を手で除去することは可能でした。低密度では、それなりの効果はみとめられたのです。コパートは早い時期より、本種の防除が重要であると考えてきました。そのため、2018年には、コパートは、このカメムシの卵に効率的に寄生する寄生蜂を見出していました。
<海外ニュース>コパート社、ミナミアオカメムシに対する生物農薬を開発

初期の圃場試験では、非常に興味深い高い効果が現場で認められました。大規模な圃場試験を数か国で行い、同様に良い試験結果が得られたのです。

ミナミアオカメムシによる被害は莫大で、そのため、いくつかの作物では、予定より早めに栽培を中止せざる得ない状況に追い込まれたりしていました。本種との闘いは、簡単ではありません。また、しばしば、いくつかの化学農薬が必要でない時期に散布されてきてもいたのです。「ミナミアオカメムシの天敵昆虫の利用が視野に入ってきたことは、驚くべきことです。コパートの国際部隊は本件に注力しています。」  コパートベルギーのバート・スルス氏はそのように、興奮を隠しきれないようです。



スペイン オポルタイムスより

2020年の世界のトマト輸出国のトップ10ランキングは?

メキシコ、オランダ、スペインが2020年の世界のトマトの輸出国のトップ3です。
(訳者注: マルハナバチも天敵昆虫もこの三国での使用が大きい)

メキシコの輸出額は、2700億円、オランダ 2000億円、スペインが 1100億円です。メキシコ産のトマトはそのほとんどを米国に出荷し、オランダ産トマトは主にドイツと英国に、スペイン産はドイツ、英国の2か国とフランスに輸出されています。
(訳者註: これが米国でのハウス栽培の野菜生産が少ない理由です。オランダの野菜は、以前から前出の2か国に販売されています。)

4位以下、モロッコ 800億円(安値でスペインの競争相手)、カナダ 500億円、フランス 450億円、ベルギー 360億円、米国 350億円、トルコ 320億円、中国 300億円 と続きます。

2000年から2018年にかけて、世界の食料輸出金額は38兆円から148兆円へと、3.5倍増加しています。FAOによれば、そのうち23%が果物と野菜が占めているとのこと。

(訳者註: 日本のトマト輸出はほとんどなく、イチゴの輸出額が20億円程度。青果物全体で250億円程度(平成29年))

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※2021年8月2日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。