アリスタ通信 <海外ニュース>
 
 
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バイオスティミュラントガイドブック (日本BS協議会の出版物) を出版してから既に、二年が経過しましたが、その本を渡すと現場で、「どのバイオスティミュラント(以下BS)が一番いいのか、教えてほしい」 と問われ、戸惑った記憶があります。生産者の方々は、じっくりガイドブックを読む時間もとれないということもあることもさりながら、実際読んでみてどれがいいのか、自分の栽培する作物ではどれを使えばいいのか、判断するのはかなりの困難を伴うことであるように思われます。

以下は、そのような方々への一助となるべく、BSの現在の使われ方に直結する研究分野や、どのような場面での利用が多いのかについて、解説します。 (参考: biostimulants-research-global-trends-in-2021)

以下の統計は、イタリアを中心としたヨーロッパでのBSの使用状況です。「どのBSを一番勧めるか」という質問には、現在一番使用されているBSを推奨することが合理的だと考えました。

使用されているBSのランキング
1.海藻由来 2.アミノ酸 3.土壌改良剤(腐植酸、フミン酸など) 4.微生物(窒素固定菌、菌根菌、トリコデルマ菌など)

BSの対象となっている作物のランキング
1.トマト 2.小麦 3.大豆 4.レタス 5.コメ 6.オリーブ 7.トウモロコシ

どのような効果を期待して使用しているか?
1.ストレス耐性(乾燥、塩分、温度) 2.養分吸収促進 3.品質向上

処理方法のランキング
1.種子粉衣 2.葉面散布 3.ドリッピング処理

BS研究の盛んな国 (2021年の論文数)
1.イタリア 50 2.スペイン 40 3.ブラジル 40 4.ポーランド 35 5.インド 35 6.アメリカ  25 7.中国 25

BS論文の多い大学
1.ナポリ 2.トリノ 3.トゥシア(イタリア) 4.ミラノ
イタリアは 有機栽培面積比率が高い (比率15%、牧草地含む)

以上、どのBSを使えばいいのか、参考にならないかもしれませんが、判断の一助になれば幸いです。
上記から考えられるのは、海藻かアミノ酸、微生物を野菜か穀物のストレス耐性と品質向上に、種子処理で使ってみるのが、一案かと愚考する次第です。あくまで、イタリアン的ではありますが。
味のいい野菜、穀類が生産できそうです!

(日本バイオスティミュラント協議会 技術顧問 和田哲夫)



※2022年9月14日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。