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海外の生物的防除に関わる団体とそのイベントについて
 

日本では、生物防除協議会(JBCA)と東京農大生物防除部会などがありますが(どちらにもアリスタは参画しています)、ヨーロッパと米国では、それぞれ、IBMA(International Biocontrol Manufacturers Association)とBPIA(Biological Products Industry Alliance)という団体が活発に活動しています。
この2団体は、おもに生物防除の製剤を生産、販売している会社が結成している団体で各国政府との交渉や、生物防除の普及を目指しています。

IBMAは、毎年10月スイスのバーゼル市の会議場にて、全世界から生物防除に興味のある100社以上の参加をもって、講演会および業界間ミーティングを盛んに行っています。その様相は、世界の化学農薬メーカーと研究者が集まり、学会発表と企業ブースが林立していたイギリスのブライトンコンフェレンス(BCPC会議)を想起させるものがあります。
ブライトンはロンドンの南に位置する、夏は避暑地として人気のある海辺の街です。そのため、多くのビーチサイドのホテルがワイキキのように立ち並んでおり、各農薬メーカーはそれぞれのホテルに企業ブースを作り、業界各社との商談をしていました。現在も形は変わって継続しているようです。ただし季節はイギリスの11月ですので、寒風吹きすさぶ海辺の通りをオーバーを着た農薬業界人たちが久闊を叙したりしながら、三々五々通り過ぎていく風景でした。

さて、現在、生物防除業界も大きくなり、上述のIBMAとBPIAは合同して活動したりしていますが、特筆するべき点は、どちらの団体も現在はバイオスティミュラントもカバーするようになってきているところです。
バイオスティミュラントの市場が拡大していることを示唆しているともいえるでしょう。
業界団体以外のアカデミックな団体としては、ヨーロッパでは、オランダとイギリスなどを中心としたIOBC(International Organization for Biological control)が生物防除の研究の最前線を牽引してきたといえます。この団体は学会ではありませんが、3年毎程度に欧米の各都市で順番に開催されています。
これまで、開催された都市は、ウィーン、ハーグ、ブレスト、サンフランシスコ、リスボン、イタリアのリミニなどがあります。オランダのワーゲンニンヘン大学のレンテレン教授が初期の研究者としては有名でした。

日本では、応用動物昆虫学会、植物病理学会、植物化学調節剤学会などがありますが、海外には、もちろん同様の学会はあるものの、生物防除、特に微生物殺虫剤と関係のある国際会議は 「国際昆虫病理学会議(International Entomopathogens and Microbial Control Congress)」であると考えられます。

今年はトルコの観光地でもあり、トマトの生産地で生物防除も盛んなアンタリヤという地中海に面した街で10月上旬に開催されました。
講演内容は以下参照ください。興味深いものが多くあります。実際、ボタニガードもこの会議で発表されたものです!
PROGRAMME – 8th International Entomopathogens and Microbial Control Congress | 6-8 October 2022, Antalya – Turkey(emc2022turkey.org)

(哲生)



※2022年11月10日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。