アリスタIPM通信 生産者の声  キュウリ スワルスキー アザミウマ、コナジラミ
 
 
生産者の声
 

JA熊本うき
きゅうり部会長 芥川克彦さん


JA熊本うき・キュウリ部会は木に油紙を張って栽培していた昭和30年代から歴史はスタートし、今では3代目や4代目がその歴史を受け継ぎ、国の指定産地としてその重責を担っています。現在は部会員38名で約9haの栽培面積を有し、紫外線カットフィルムや粘着板、耐病性品種などの導入にも積極的に取り組み、その成果をあげてきました。今回は部会長として6年に渡ってこの部会を引っ張り続ける芥川さんにお話を伺いました。

スワルスキーでアザミウマの生活環を断ち切る

キュウリ栽培は私で3代目で、就農してから25年になります。天敵についてはこれまで取り組んだことはありませんでした。その大きな理由は、天敵放飼によって散布薬剤が限定されることだったのですが、スワルスキーを使用している他産地での評判(効果)が大変良かったことと、使える(影響の少ない)薬剤が比較的多かったことから、昨春に試験導入しました。

  芥川克彦さん
 
芥川克彦さん
   
昨春の結果はアザミウマ、コナジラミの防除をすることはほとんどなく、予想以上の効果を実感しました。コストについては慣行防除と大差ないのでは、と思いますが散布労働コストを合わせ考えれば、充分なメリットがあると思います。

昨今のキュウリ栽培では黄化えそ病が脅威となっておりますが、宇城でも平成17年に発生が確認され、対応に苦慮しております。スワルスキーを導入したのは、アザミウマ対策が主なのですが、特に秋口の密度をゼロにし、アザミウマの生活環をここで断ち切ることで春の黄化えそ病の発生を食い止めることができるのでは、と期待しています。

スワルスキーの使用方法については、温度・湿度が充分に確保できる環境であれば問題なく部会員へも薦めていけますが、秋の温度が下がっていく環境では効果にバラつきがみられましたので、ここの検討が重要課題と考えています。

今後の天敵利用については、昨年の結果を踏まえて部会全体でスワルスキーの春放飼に取り組むことと、対アブラムシのアフィパールにも興味があります。また、メーカーさんに期待するのは、スワルスキーのコーヒーフィルター放飼に代わる製剤についても検討していただけたら、と思います。

 
 
※2011年2月3日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。