アリスタIPM通信 生産者の声(カーネーション、スパイカルEX・スパイデックス)
 
 
生産者の声
 
兵庫県淡路市
井上雅俊さん
 

カーネーション栽培でスパイカルEX・スパイデックスによるハダニ防除を中心としてIPMプログラムを実践されている井上さんをご紹介します。井上さんはエクセリア、アップルティ、シキブなどの品種を27aで栽培されている兵庫県淡路市カーネーション生産者です。

兵庫県のカーネーション出荷量は全国第3位(平成21年)、淡路島では約22ha栽培されております。井上さんは(社)全国農業改良普及支援協会の運営する「みんなの農業広場」の中で「花咲小僧の楽農主義」というブログも作成されていますし、3月に開かれた「第50回全国青年農業者会議プロジェクト発表大会」園芸・特産部門で「カーネーションにおける天敵を利用したハダニ防除」の成果を発表され、最優秀賞を受賞されています。

薬剤散布の回数が減り、作業面での省力化にもつながっています
化学薬剤散布の回数が多いと抵抗性を持ったハダニが現れてしまい薬剤の効果が低くなることがあるため、2年前より天敵を組み合わせたハダニ防除を県の指導機関やアリスタライフサイエンス社と取り組んでいます。
スパイカルEX・スパイデックスを導入し、年間の化学薬剤散布回数を約6割減少させることができました。化学薬剤の散布回数が減少することで薬剤抵抗性がつきにくくなるので「効く」化学薬剤の温存にもつながると考えています。
 
井上雅俊さん
 
井上雅俊さん

出荷作業に追われて防除がおろそかになりがちな時期に化学薬剤の散布労力が軽減できることで身体への負担軽減だけではなく、薬剤散布作業にかかる時間を有効に使える点も評価しています。スパイカルEXは定着型の天敵であることから、天敵放飼後にハダニが発生しても圃場全体への広がりが遅く、必要に応じてスパイデックスを導入したり、天敵に影響の少ない化学薬剤を選択しながらハダニの密度をコントロールすることができます。


5月の需要期に品質を落とさず出荷できました
ハダニによる直接被害が少なくなったことで、5月の需要期にカーネーションの品質を落とさず出荷することができました。スパイカルEXやスパイデックスは害虫であるハダニを捕食してくれ、花を食害する心配はありません。


アザミウマ類防除のIPM技術が今後の課題です
ハダニ防除についてはほぼ確立できました。課題であるアザミウマ類対策としては圃場外からの飛び込み防止を目的として防虫ネットを展張したり、ホリバー(特にブルー)によるアザミウマ成虫の捕殺で密度抑制に効果が出ています。今後はマイコタールなどの微生物農薬にも期待しています。
 
 
※2011年7月30日現在の情報です。製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。